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ビタミンE健康法

ビタミンEは、ビタミンCと並んで人気になっています。
人間のからだにとって大変重要な役割をはたしています。とくに、老化の防止とがんの予防効果が注目されています。
しみや顔面黒皮症の原因は、過酸化脂質といわれています。この過酸化脂質は、人間の細胞の中で酸化(さび)を進める物質なのです。この酸化を食い止めようとするのが、一つ一つの細胞の中に含まれている、ビタミンEの役割なのです。
こうした役割はビタミンの中でも大変大きなものです。細胞を老化させずに活発にすることは、細胞の狂いによって生じるがん細胞を防ぐことにもなりますし、内臓の働きを活発にさせることにもなります。
現代の人々が、さまざまなストレス、アレルギー、肥満、食生活のアンバランスなどの問題を抱えた時代には、とくにビタミンEの効果は大切です。とくに働き盛りである中年以降の人は、栄養素の腸内吸収率が弱まっていますから、若い人よりも多く摂る必要があります。

心身の老化を防ぐ
ビタミンEの効果は非常に多く、50以上の症状に有効といわれています。ここではその中から主なものをあげておきましょう。
・皮膚や筋肉の細胞ばかりでなく、内臓や脳の細胞も活性化するため、心身の老化を防ぐ。
・からだに酸素を供給する赤血球の機能を高めるため、貧血を予防し、血栓をできにくくする。
・善玉コレステロール(HDL)を増やし、悪玉コレステロール(LDL)を減らすため、動脈にコレステロールが付着するのを防ぎ、動脈硬化、心筋梗塞を予防する。
・体内の免疫細胞を強化させるため、病気に対する抵抗力を強める。とくに中年以降の発がん物質によるがんの多発を予防する。
これら、男女共通の効用のほか、とくに女性には、次のような効用もあります。
・脳下垂体や副腎皮質などのホルモン分泌器官の中に含まれ、その働きを支えるため、不妊、流産を防止するほか、出産後の乳の出をよくする。

αタイプの多い食品を
ビタミンEは学名をトコフェロールといいますが、それもα、β、γ、σという4つのタイプによって、その効果も異なってきます。そ効果を比較するのに、αタイプを100とすると、βが30、γが10、σが2、となります。つまり、αタイプが格段有効なのです。
そして、このタイプは、食物中のビタミンE量が多くても、必ずしも比例して多くはないのです。
現在日本では、ビタミンEの所要量は決められていませんが、米国では一日に15rと決められています。しかし、これはあくまでもビタミンEの総量ではなく、αタイプの量です。その上、多くの専門店家は、その量では不足だとして、一日に約150r摂ることが望ましいといいます。
・αタイプはとくに植物油に多く、100g中に、ごま油で約22r、コーン油で約14r、大豆油で約9rとなっている。これらの油で揚げ物や、ドレッシングに使って、たくさん摂るとよい。
・魚介類では、うなぎ(100g中αタイプを8,19r含む)をはじめ、たらこ、八つ目うなぎ、かつお、まぐろの脂身などに多く含まれている。これらの食品を、他のビタミン類やミネラルの豊富な緑黄色野菜とともに摂るとよい(ビタミンEは、他のビタミン類といっしょに摂ると腸からの吸収率がよくなる)。
ビタミンEは副作用が少ないので、薬剤や健康食品で摂ってもよいでしょう。その場合、その製品にαタイプがどの程度含まれているのか確認し、含有量の多いものを選ぶことです。

植物油は新しいものを
・ビタミンEの豊富な植物油でも空気中にさらしておいたり、何回も使ったりすると、油脂が酸化し、過酸化脂質が増えてしまう。料理には、つねに新しい油を使うこと。
・植物油を使った調理品は熱いうちに食べないと、Eの効果はどんどん減ってゆく。