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断食健康法
修行する宗教家たちは必ずといってよいほど断食を実践しています。
お釈迦さまもそうであったし、キリストも実践したといわれています。また、そのほかの宗教、ユダヤ教、回教などの宗教家たちも同じように断食は修行の一部でした。
これらの昔の昔の人々は経験的に断食が心身を壮快にすることを知っていました。現代では、その効用はさまざまな動物実験、臨床実験から科学的に証明されつつあります。
しかし、反面、断食には、正しい指導をしてくれる医師がいないと、生命にかかわるほどの危険もあるのです。
二週間ほどの断食をする場合には、まず四日間ぐらいの予備断食の後に本断食に入ります。そして、本断食に入ったら水以外は口にしません。水は一日に五合(900ml)ぐらいを何度かに分けて飲みます。
本断食が終わったら副食(捕食)ですが、ここで普通食に戻す場合には、10日間ほどかけて、重湯、かゆ、ごはんという順にもとに戻してゆきます。
しかし、一般の家庭で実行する場合は、それほど本格的にならずに、休みの前日や、週休二日なら土曜日一日だけ断食をしても効果があります。その場合は、あまり堅苦しく考えないで、水だけでなくジュースぐらいは飲むようにしたいものです。
- 効用
体内の大掃除をする
断食は、食を断つのですから、腸壁にこびりついた宿便を排泄する体内の大掃除になります。そのための効用は、次のように幅広いものです。
・40歳以降に低下するインスリン分泌が活発になるので、中年過ぎの糖尿病を予防する。
・各臓器の老廃物を排泄するので、個々の臓器の細胞活動が活発になり、老化防止と長寿の効果がある。
・血液中の白血球が1,5倍以上に増加するので、病原菌に対して抵抗力がつく。
・血液を浄化する作用があるので、うっ血を防ぐ。
・自律神経が正常になるため、精神・神経のバランスをよくし、集中力が出る。
・副腎皮質ホルモンの分泌を正常にするため、病気に対する体内の自然治癒力を増加する。
・週一日の断食でも、一年で4〜5s無理なくやせられる。
- 利用法
段階的に減食してゆく
本断食が二週間以上のものは、必ず医師か経験を積んだ指導員の指示にしたがって実行してください。その場合の実行順序は次の通りです。
・本断食の4〜5日前から、三度の食事を二度、一度と減らします。その食事内容も、@重湯と梅干、A重湯だけ、B重湯の量を少なくする、という順にして、からだを断食に慣れさせてゆきます。
・本断食は、できるなら、新鮮な大気に包まれている、神経を使わなくてすむような場所で実施する。
・タバコ、アルコールは内臓を疲れさせるので厳禁。入浴もからだを疲れさせるので、毎日濡れタオルでからだをふく程度にする。
・一日に5〜6合の水か新鮮なくだもの・野菜のジュースを同量だけ、朝、昼、晩の三回に分けて飲む。
・本断食が終わり、普通食に戻すには、じゅうぶんな日数(約10日)をとる。味つけのないどろどろの重湯茶わん半分くらいとジュース(普通食の10分の1)を最初の日に。水、ジュースは断食中と同じ。その翌日=普通食の10分の2、三日目=同10分の3といようにし、五日目にかゆで、普通食の半分くらいの量にする。つまり、普通食の10分の1ずつ増やしてゆくことが大切。普通のごはんは六日目以降から。
・一日断食の場合も、やはり同じように、2〜3日前から、減食するようにし、一日の本断食のあと、最低一日は復食に当てたい。
- 注意点
医師の許可を受けること
・虫歯のひどい人、やせすぎの人、妊娠中の女性、腸に病気のある人、胃潰瘍の人などは避ける。
・また、例え一日の断食でも、必ず医師の許可を受けてからはじめないと、自覚症状のない病気が急に現れ、逆効果になる場合もある。
・復食は、段階的に摂らないと非常に危険
・断食後は食欲が亢進するので、食べすぎに注意する。