食べ物健康法

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粗食健康法

100歳以上の長寿者たちに、健康法を尋ねてみると、
@脂っこいものは避ける。
A強い香辛料は使わない。
B魚介類、野菜類を多く摂る。
C肉類、乳製品はひかえめにする。
D何でもよく食べるが、腹八分目にする。
という、食生活上の注意点をだれもが自然に守っているようです。
この健康法は、ほとんどそのまま粗食健康法にあてはまります。つまり、粗食健康法というのは、栄養価の低い食べ物を食べるという意味ではなく、食品の栄養価を最大限に発揮させる簡素な料理法と解釈すべきでしょう。
端的にいえば、日本料理での野菜類の煮物、おひたしなどがその料理法にあたります。煮物、おひたしはかさが小さくなります。熱でビタミン類が壊されることがあっても、総量ではボール1杯の生野菜などよりも栄養価ははるかに高いものとなります。
ただし、一つの食品を多量に食べるのではなく、やはりビタミン、ミネラルの豊富な海藻類といっしょに、まんべんなく、腹八分目に摂ることが大切です。

成人病の予防によい
@の場合、若者は別として、20歳代後半以降になると脂肪の代謝がにぶくなりますので、心臓や肝臓の疲労を防ぐ効果があります。
Aの強い香辛料は味覚を損なうと同時に胃腸の運動を促すので、食べ過ぎの原因を避けることになります。
Bの日本に昔からある、魚介類、野菜類の料理法は、見た目もさることながら、栄養価を損なわないように工夫されています。そのため体内での消化・吸収などの代謝作用がよく、内臓にも負担がかかりません。
(a)植物繊維の多い煮物類は成人病の予防に有効。
(b)サラダで食べるキャベツ、レタスなどの淡色野菜と異なり、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、小松菜などの緑黄色野菜はビタミンB複合体が多いため、糖質、たんぱく質、脂質の代謝が活発になる。
Cは成人病予防のためには当然ですし、Dの「何でも食べる」は健康な食生活の基本ですし、「腹八分目」は内臓の負担を軽減し、健康を保ちます。

煮物は芋類をいっしょに
野菜類、それも緑黄色野菜、魚介類、未精白の穀類をじょうずに摂ることが粗食健康法の基本です。それをもとに、
・未精白の穀類、麦、七分づき米、黒パン、玄米を主食とし、ほかに緑黄色野菜、魚介類の副食を三品以上そろえる。
・魚はできるだけ新鮮なものを使う。
・海藻類ははるべく毎日摂る。
・緑黄色野菜に多く含まれているカロチンは、油に溶けてビタミンAとなって吸収されるので、油といっしょに調理する。
・煮物には、壊されにくいビタミンCを含む芋類をいっしょに。
・ビタミン類の豊富な青菜のおひたしは、毎食でも摂る。

極端な粗食はひかえる
・育ち盛りの時期(10代〜20代前半)には、脂肪分をひかえるこの健康法は、栄養失調になりやすいので適さない。
・肉類、乳製品も、完全になくしてしまっては、栄養の偏りを招くので、少量は摂った方がよい。
・中年以降になってから、急激な粗食(例えば副食は緑黄色野菜だけ)へ転換することは体質を狂わすおそれもあるので、あまり極端な粗食はひかえたい。