食べ物健康法

健康になる食べ物事典 > 旬の物健康法

旬の物健康法

旬とは、野菜や魚の最もおいしい時期をいいます。野菜では収穫しはじめのころ、魚では俗にいう‘あぶらののった’時期で、生殖期直前のことをいいます。
つまり、裏返していえば、旬の食品はそれだけ、動植物のからだが充実し、栄養が豊富になっている、というわけです。
現在は、温室栽培や冷凍技術によって、いつでもどこでも時期はずれの野菜や魚が食べられるようになりました。しかし、これらの食品は天然自然の旬の物と比べると、栄養価という点では、やはり劣っているのです。
旬の食品は、野菜なら露地栽培のもの、魚なら近海で獲れるものに限定されます。

四季それぞれに効用が
旬の時期には、その食品が大量に出回るので、値段も安くなるという利点があります。
その上、栄養価も最高になり、味もよいのですから、旬の物を利用しない手はありません。
@春の食品
野菜では、そら豆、春菊、ワラビ、ミツバ、フキなどがあり、魚では、にしん、きんめだい、海草類ではわかめなどが代表的。
これらの食品は、冬のビタミン、ミネラル不足だった食生活に、新鮮な栄養価を与えてくれます。
A夏の食品
初夏なら、たけのこ、うど、夏大根、真夏に近づくにしたがって、オクラ、なす、きゅうり、トマト、ピーマン、青じそ、かぼちゃなどの野菜類があり、魚では、あゆ、きす、すずき、かつお、あじ、はもなどがあります。また、貝類ではしじみがあります。
これらの食品は、夏の暑さに弱ってくる私たちのからだに、元気を回復させるために欠かせない食品といえます。
あくの強い、スタミナ源となる食品から、食欲増進の役をはたしながら、しかも栄養価が高く、食中毒の予防にも役立つ青じそまでが含まれています。まさに、自然の調和は絶妙といえます。
B秋の食品
野菜では、にんじん、ごぼう、さつま芋、めキャベツ。魚では、まれがい、かます、さんま、さばなどが代表的。
食欲の秋にふさわしく、秋の食品は、海の幸と山の幸のバランスがとれています。きたるべき冬に備えてバランスよく栄養を摂ろうとするリズムが人間の体内にもありますが、自然の旬はそのリズムに一致しています。秋は、栄養価もバランスよくとれる時期といえます。
C冬の食品
野菜では、長ねぎ、カリフラワー、白菜、やつがしら、大根、れんこん、魚では、ふぐ、むつ、わかさぎ、まだら、あんこうなどが代表的。貝類ではかき、寒しじみなど。
この時期の魚には、あぶらがのっていて、栄養価も優れているものが多いといえます。また、かき、しじみなどは、たんぱく質のほか、ビタミン、ミネラルが驚くほど多量に含まれています。

和食の調理法に沿って
旬は、あくまで日本での旬ですから、伝統的な和食の調理法に沿って食べる方が、栄養価の損失が少ないといえます。長い年月をかけてできあがったのではなく、現代の栄養学からみても、きわめて科学的なものが多いのです。
旬は地方によっても異なりますし、また野菜などの品種も多少異なるため、調理の仕方にも違いが出ます。しかし、その地方の調理の仕方は、その地方の栄養価の不足を補っていることが多いので、郷に入れば郷にしたがって、その調理法をとった方がよいでしょう。

新鮮な食品を使うこと
・旬の物健康法を実践するには、新鮮な食品を使わなければ何にもならない。
・野菜を冷蔵庫に入れるにはポリエチレンで包み、口は、あまりしめ切らない方が、むれないし、鮮度を保てる。
・芋類は新聞紙に包んでおいた方が水っぽくならない。
・野菜は、冬には冷蔵庫へ入れない方が鮮度を保てる。じゃが芋、さつま芋などは特に冷蔵庫はよくない。