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カルシウム健康法

カルシウムは、ナトリウム、カリウムとともに、生命を維持するのに最も大切なミネラルです。
カルシウムといえば骨や歯の基礎成分であることはよく知られていますが、そればかりでなく、体液をアルカリ性に保つ働きや、神経系の興奮を抑制する働きもあります。
厚生省の調査によりますと、一般家庭へのインスタント食品、調理ずみ食品の普及によって、日本人のミネラル、ビタミンの摂取が不足しているということです。
とくに、ミネラルではカルシウム、ビタミンではA、Bが不足しています。日本人は一般にカルシウムが不足しているとは昔からいわれていますが、現代の食生活においても依然として改善されていないことが証明されたわけです。
このことは、子供たちが骨折しやすくなったり、アレルギー体質の人が増加していることと決して無縁ではないでしょう。
人体でのカルシウムは、99%が骨に、1%が体液中に含まれています。では、カルシウムの摂取量は一日にどのくらい必要かといえば、成人男女で0,6gとされています。
しかし、食べ物として摂った場合には、その吸収率は30〜80%になりますから、食べた食品の含有量よりずっと多めに摂る必要があるわけです。
また、成長期の子供、妊婦などは、それだけカルシウムを必要としますから、より多めに摂りたいものです。

骨折、虫歯を予防し、神経を安定させる
カルシウムには、次のような働きや効用があります。
・骨や歯などの組織をつくる成分となり、じょうぶな骨、歯をつくるほか、骨折、虫歯などを予防する。
・心臓の筋肉の収縮作用を増す作用をするので、心臓病治療にも役立ち、心臓病に対する予防効果もある。
・刺激に対して神経系の興奮を鎮静する作用があるので、中高年、とくに都会に住むストレスの多い人々には神経の安定に効果がある。
・妊婦や授乳中の婦人にとっては、母体と胎児の健全な発育、幼児の成育を促進するのに欠かせない。

たんぱく質、ビタミンC、Dなどとともに
前述したように、カルシウムは体内での吸収率にかなりの差があります。それは、カルシウムを含んでいる食品の中に、たんぱく質、ビタミンC,D、糖乳が含まれているかどうかによって違いが出るのです。つまり、これらの栄養素とカルシウムとを同時に摂取したとき、カルシウムの吸収率がよくなるのです。
したがって、カルシウム健康法といっても、カルシウムを単独で栄養補助として摂ることはお勧めできません。
・小魚類、とくにいわしの丸干し、はぜのつくだ煮、煮干は100g中に一日の必要摂取量3倍から4倍のカルシウムが含まれており、まさにカルシウムの宝庫といえる。
・焼きのり、こんぶ、ひじきにも多量のカルシウムが含まれているので、米飯のときには、ぜひこれらの食品を併せて摂りたい。
・大豆製品、生あげ、豆腐などにもカルシウムは多く含まれている。しかも、これらの食品はたんぱく質、ビタミン、ミネラルも豊富であるから吸収率もよい。
・緑黄色野菜はビタミンC、Dが多く、しかもカルシウム分も多いので、体内吸収率がよい。

吸収率を計算に入れて
・カルシウムを考えるとき、その吸収率を計算に入れなければいけない。カルシウムだけが多く含まれている食品をとるときは、たんぱく質、ビタミンの多い食品と併せて摂らなければいけない。
・都会の中高年者や子供はとくに、必要量にたりないので、多めに摂ることが必要。